2003年埼玉県からIターン
家族構成:夫婦・子ども3人(11歳・5歳・3歳)
職業:宿泊業(観光ホテル東)
1カ月の滞在予定が・・・
沖永良部島でスキューバダイビングのインストラクターとして働いていた友人に、「とてもいい所で、ダイビングスポットとしても魅力的だから来てみたら?」と誘われて沖永良部島へ。
1カ月の予定がまだ島に居たいと思い、昼間はスキューバのインストラクター、夜は飲食店で働くことにしました。
そんな中、スキューバの生徒がライセンスを取得したので食事会を開いたところ、生徒の友人で家業のホテルを継いでいた主人を紹介されました。そのうちお付き合いが始まり、2年後に結婚、島に来て15年になります。
埼玉に帰りたいと思ったことも
島外に住んでいる主人の姉妹は、「忙しい所へよく来てくれた」と同情的で、繁忙期にはサポートしてくれるのでとても助かってます。結婚前からホテルを手伝っていたこともあり、大変さは覚悟していました。
覚悟はしていましたが・・・長女が産まれ、初めての子育てと慣れない仕事でストレスフルな日々が続き、明日こそ船に乗って帰るぞと、何度も思ったこともあります。
しかしその後、家族が増えたことによって責任感が生まれ、腹をくくれた気がします。末っ子が保育園に入ると、気持ちも体力にも余裕ができ、徐々に仕事が面白くなってきました。
何よりもお客様と接するのが好き
ホテルには、様々なお客様がいらっしゃいます。お客様とは24時間のお付き合い、そこが宿泊業の面白いところだと思います。
それぞれのお客様に、快適に過ごしていただくにはどうしたらよいのか、島を好きになり「良い旅だった!」と帰ってもらうには何をすれば良いのかを考えるのが楽しいのです。
もう一つは、常に新しい出会いがあるところが良いですね。幅広いお客様と知り合うことができ、いろんな人と繋がることができます。
つい最近ですと、島出身の社長が離島出身の経営者を数名連れて、勉強会を開催してくれました。皆さん、有名な会社の経営者です。離島ならではの悩みを話すとアドバイスをくださり、大変勇気づけられました。
時々、「これは神様からのご褒美じゃないの?」と思うくらいの素敵な出会いがあるんですよ。
アルバイトの若者からの刺激
お客様との出会い以外にも、島の高校生や、島外から来てくれるアルバイトの若者からも刺激を受けています。
小学校の体験学習で島を訪れた男の子が、中2の夏休みから毎年一人で遊びに来てくれて、高校生になった今年からは、旅費を稼ぐために働きながら島を楽しんでいます。
若者の感性や若いエネルギーから学ぶことも多いです。
交流をめざした宿泊施設
今、ホテルの敷地の横に新しいタイプの宿泊施設を建築中です。一般的なホテルとは違う木造平屋で、15年前から建て直 しの計画があり、アイデアを温めてきました。
宿泊のお客様同士や、ホテルスタッフ、地元の方との交流を促進したいと思い、そのための工夫をいくつか考えています。
私達が旅行した時に、他人と知り合うことによって、旅はより楽しくなるという経験があり、それを宿泊のお客様にも体験してもらえたらと思っています。
昨年からは、レンタサイクルを始めアクティビティにも力を入れてます。
私達がお客様と一緒に島を楽しむ事で、より魅力的な宿泊施設にしたいですね。2019年1月にはオープン予定です。どうぞお楽しみに!
島ならではの子育て環境
子ども達は機会があれば、親、兄弟、ベビーシッター、友達、近所の方に預かってもらうようにしています。
多くの人に預けられるのは、島だからできることだと思います。都会では、近所の方に気軽に預けることは難しく、よそのおばちゃんに怒られることは、あまり無いですね。
当初は、自分の子どもが、誰かに怒られているのを見ると自分が責められている感覚になり、辛い気持ちになっていましたが、「多様な人と接することは、いいことだと思う。子供にとって都合の良い優しい人とだけと接していると、強く育たないよ」と、主人が言ってくれたことをきっかけに考えが変わりました。
今では、子供は人との関係や距離を他人から学んでいくんだ、と身をもって感じています。
周りの人から温かい目で見守られているという幸せは、子どもにとって大きな元気、勇気になると思います。
生徒数が少ないことのデメリット
離島ならではの悩みとしては、生徒数が少ないために学校の部活動は、いくつかの運動部と吹奏楽部のみと選択肢が少ないです。
来年中学に進学する娘は、運動も音楽も苦手です。どうしようか・・・と話し合った結果、選択肢の中から無理やり選ぶのではなく、中学の3年間部活に入らず、得意分野での目標を立てて伸ばすと いう結論を出しました。卒業までに英検2級という目標を立てました。
やりたい部活動がなければどうするのかを真剣に考えるいい機会になりました。
マイナスととるかプラスととるか
島の人のフランクさを煩わしと思うのか親しみやすいと思うのか、軒先に差し入れや配達の荷物が置かれていることに対して、「え!」とびっくりするのか便利だと思うのか、島あるあるをマイナスにとるのかプラスにとるのかで、島でのくらしは違ってくると思います。