仕事レポート No.10

ポニー食品 竹下 敦史さん

創業30年のポニー食品2代目の竹下敦史さんからお話を伺いました。ポニー食品では、自家栽培の野菜をはじめ、島でとれた野菜を原材料にした約15種類のお菓子を製造販売しています。
前職の食品商社で培った経験をいかして新しいことにも挑戦したいと、熱い思いを語ってくれました。

竹下 敦志さん
【 竹下 敦志さん 】

家業を継ぐ

5年前、父親に「体力的に限界が来たので、ポニー食品をどうするか考えてくれないか?後を継がなければ廃業してもいい」と言われ、その時に家業を継ぐことについて真剣に考えました。

【 30年の歴史を重ねたポニー食品の看板 】

30年続いた家業をつぶしたくないという気持ちと、都会で自分の力を試したいという気持ちが五分五分でした 。食品商社で、お菓子の原材料を扱っていたので、菓子製造の現場は馴染みがありました。
いろいろ考えた結果、都会で学んだことをいかそうと2017年に島へ帰ってきました。

ポニー食品の敷地
【 ポニー食品の敷地 】

島の素材をいかしたお菓子づくり

ポニー食品の創業は、母親が趣味にしていたお菓子作りがきっかけです。創業当初は、どこにでもあるような手作りのお菓子を集落の商店や地元スーパーに卸していました。
島内の小さなマーケットで、同じようなものを作っても採算的に厳しく、途中から島の素材や自分の畑でとれたものを原料にしたお菓子に転換、現在15種類の和洋菓子を製造販売しています。

ポニー食品の工場
【 ポニー食品の工場 】
【 島の素材を使ったポニー食品のお菓子 】

数字を把握する

帰ってきて先ず始めたのは、商品別の販売量と採算性を毎月把握することです。数字を把握することで、仕入れの見直しやコストダウンがどれ位できるかを考えることができます。

ホテルの売店に陳列されているお菓子
【 ホテルの売店に陳列されているお菓子 】

配達時は、どういうお客さんが購入されているのか、何が売れているのかを自分の目で確認するようにしています。現場に行くと何をやればいいのかアイデアが出てきます。

販路を拡大したい

お菓子の製造は、母親がメインでやっています。母親から技術を教えてもらいつつ、前職での経験を生かして 、新たなことにチャレンジしたいです。

黒糖、野菜など島の素材を生かしたお菓子づくりに特化して、販路は沖永良部島だけではなく奄美群島、沖縄まで拡大したいと考えています。
ポニー食品のお菓子を手にした観光客の方が、リピーターになってくれるケースもありますので、お客さんとの繋がる仕組みを作っていきたいと考えています。

6次産業化を目指す

今考えているのは6次産業化です。新しい農産物を島の特産物にして、それを一次加工品、原材料にしたお菓子づくりを考えています。
6次産業化することによって、一次加工品、原材料、お菓子といくつかのマーケットで販売が可能となりま す。

自家農園でとれたさといも
【 自家農園でとれたさといも 】

6次産業化は農家との協力体制が必要になります。農家と協業、連携すれば新たなビジネスが生まれ、さらには新たな雇用が生まれ、島全体の活性化につながると信じています。

6次産業化は、1事業所の力では難しく、JA、商工会など組織体の巻き込みが必要になってきます。時間が掛かるかもしれませんが、JA、商工会との関係も築いていけたらと思います。

儲けるしくみをつくるためには、生みの苦しみがありますが、何か新しいことを始めないと現状のままでは発展しません。時間を掛けて検討していきたいと思います。

結果を出す

経営権を譲ってもらったので、いろいろな面で責任が重くなってくると思いますが、その分やりがいや喜び、達成感も大きいと思います。
熱い思いを秘めつつ結果を出すしかないと思っています。結果を出すために、どうしていくかを常に考えていきたいと思います。